2012年4月10日火曜日

アキレス腱断裂の治療(手術とリハビリテーション)


アキレス腱断裂の治療(手術とリハビリテーション)


スポーツ整形外科部長 内山英司
リハビリテーション科理学療法室 園部俊晴


 アキレス腱断裂は、主にスポーツ活動で起こり、ジャンプ、ダッシュ、ターンなどの動作によってアキレス腱に強いストレスが加わることで起こります。断裂の瞬間は「ボールが当たった」「後ろから蹴られた」ように感じ、痛みが生じます(右図)。
アキレス腱断裂の治療には、手術をする手術的治療と手術をしない保存的治療があります。このうち、後者の保存的治療では長期の固定や免荷(体重をかけれない状態の事)を必要とし、筋力や関節の可動域の回復が悪くなります。このためできるだけ早くスポーツ復帰させるために、当院スポーツ整形外科では、筋力の低下、可動域制限(関節が硬くなること)、疼みなどの二次的障害の少ない手術的治療を第一に選択しています。実際に、全国的にもほとんどの整� �外科施設(95%以上)でスポーツ選手のアキレス腱断裂の治療には手術的治療を第一に選択しているようです。それでは、当院スポーツ整形外科におけるアキレス腱断裂の治療を手術的治療を中心に説明します。


当院スポーツ整形外科の手術的治療の紹介


反抗的な行動は何ですか


アキレス腱断裂の手術的治療には、いろいろな方法が報告されています。これら様々な方法はそれぞれ長所と短所がありますが、いずれにしても断裂したアキレス腱を縫合糸で繋ぎ合わせるため、この部分の強度が高くなるまでの一定期間は免荷(体重をかけれない状態の事)が必要になります。当院スポーツ整形外科では手術方法の工夫により非常に強度の高いアキレス腱縫合が可能になり、手術後早く(1週間程度)から体重をかけることが可能になりました。


手術後のリハビリテーション


手術後のリハビリテーションでは、縫合したアキレス腱の強度を保ちながら筋肉の萎縮(筋が細くなること)、筋力低下、可動域制限を最小限にし、より早く、そしてより確実に日常生活、スポーツ活動を復帰させることが重要です。当院スポーツ整形外科では前述のように非常に強度の高いアキレス腱縫合を行っているため、従来より早いリハビリテーションプログラムを施行することが可能になっています。その結果、筋力低下、可動域制限は最小限になり、早い時期に歩行、ジョギングが行えるようになり、良好な成績を治めています。表に手術後の具体的なプログラムを示します。


アキレス腱断裂手術後のリハビリテーションプログラム


ギプスで足関節を固定します


歯の痛みを停止する方法


ギプスにヒールを付け歩く訓練を始めます

ケガをしていないところの訓練が始まります
(悪くない部分は積極的に訓練します)

ギプスを外し、装具になります(もうり歩けるようになります)

硬くならないための可動域訓練が始まります

退院(通常この時期に退院します)

裸足で歩く訓練をします(まだ脚を揃えて行います)

階段の訓練をします(装具をつけて)

ふくらはぎの筋肉(アキレス腱と直接つながっている筋肉)を鍛え始めます

固定自転車がこげるようになります

5週間後

裸足での歩行訓練を積極的に行います

6週間後

背伸びの訓練を始めます


ライン上の靭帯の仕事を見つけるためにどのように

7週間後

裸足で階段の上り下りを行います

8週間後

装具を外すことができます

9週間後

片足で背伸びができるようになります

10週間後

ジョギングを始めます

12週間後

縄跳びを始めます

3ヶ月後

軽いテニス程度の運動ができるようになります

4ヶ月後

徐々にスポーツ復帰していきます

5ヶ月後

元のスポーツに完全復帰する事ができます



このプログラムを簡単に説明すると、手術後1週間にはギプスをした状態で体重をかける訓練が始まります。多くの場合すぐに松葉杖なしで歩くことができるようになり、次の週にはギプスから装具になります。またこの時期から関節が硬くならないための訓練や筋力訓練などが始まります。そして、約10週でジョギングが可能になり、3ヶ月で軽いテニス程度の運動ができるようになります。スポーツの完全復帰は4−5ヶ月になります。また、各々の患者さんには担当の理学療法士が付き、随時手術後の状態をチェックし、この一連のリハビリテーションプログラムを指導していきます。


以下に患者さんからよく聞かれる質問を載せてみました。ご参照下さい。


Q:入院期間はどのくらいですか?
A:アキレス腱を断裂し、これから手術を受けようとしている患者さんにとって、治療の質はもちろん入院の期間というのも重要な因子になると思います。仕事を持っている場合であればなおさらです。当院スポーツ整形外科では、基本的に入院期間を手術後1〜2週間程度としています。この時期であれば、体重をかけて歩くことができることから、歩行も安定し転倒などの危険性も少ないからです。入院期間は場合によっては治療側、患者側双方の話し合いで早めることも可能ですが、手術後早期の時期は再断裂の可能性や炎症・腫張が起こりやすいため、1〜2週間程度の入院期間がいまのところ理想的であると考えています。



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