摂食障害は摂食行為(eating behavior)にまつわる依存症(アディクション)の一つであり、過食症、拒食症という言葉でよく知られていますが、正式にはそれぞれ神経性大食症、神経性無食欲症といいます。神経性無食欲症といっても、初期においては食欲は正常で空腹を感じ、頭の中は食物に関する思考で一杯であることがほとんどです。
これらの疾患は女性の罹患率が90%と高く、神経性無食欲症の発症年齢は青年期中期~後期(14-18歳)、神経性大食症は青年期後期~成人期前期(16-18歳以降)と言われています。ただし最近は30歳前後での発症も見られるようです。
「神経性無食欲症の症状」
A年齢と身長に見合う正常体重の最低限、またはそれ以上を維持することの拒否。
(期待される体重の85%以下が一つの目安となる。)
B体重が不足している場合でも、体重増加、または肥満に対する強い恐怖。
C自分の体重または体型の感じ方の障害、自己評価に対する体重や体型の過剰な影響、または現在の低体重の重大さの否認。
D初潮後の女性の場合、無月経、月経周期が連続して3回欠如している。
(ホルモン投与による月経誘発は無月経と見なす。)
TECの骨折
神経性無食欲症には2つのタイプ、制限型とむちゃ食い/排出型があり、むちゃ食い/排出型は規則的にむちゃ食いをしたり、排出行動(自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤・浣腸の誤った使用)を行うタイプを指します。制限型はむちゃ食いや排出行動がないタイプを指します。いずれにしても高カロリー食品を避け、限られた食物しか取らなくなり、過剰な運動をするなどして、過度に減量に気を取られるようになります。
また傍から見て、どんなに痩せていようとそのことを認めず、あるいは認めても栄養失調状態に関しては否認するのが典型的です。飢餓に起因する低栄養・脱水状態は極めて危険なものであり、入院を必要とする重篤なケースや様々な身体疾患、いら立ち、不眠、傾眠、性的関心の減退といった抑鬱(うつ)症状を引き起こします。反対に気力過剰になることもあります。またむちゃ食い/排出型には、アルコールや薬などの物質乱用、気分の易変性、性的活発、自殺企図といった境界性パーソナリティの問題を有する場合が制限型よりも多くなります。
1から12歳までの子供の肥満のための最小重量
「神経性無食欲症の原因と治療」
神経性無食欲症は産業の発達した国で、痩せている女性を美しいとする文化圏に多く見られる障害です。ダイエットやストレスの高い生活上の出来事が引き金となるようですが、心理的な原因として思春期に強まる独立と社会的・性的機能への要求に対する反応、つまり成熟拒否の問題があげられています。また家族にアルコールなどの依存症やうつ病、摂食障害の人がいるケースも多く、家族関係は親密ではあっても混乱した関係であることが特徴の一つと言えるでしょう。
神経性無食欲症の治療には、飢餓状態のひどい場合は入院が必要ですが、精神療法では集団療法、認知行動療法、家族療法などが有効であると言われています。神保町カウンセリングルームでは摂食障害の方に有効な心理療法を提供しております。お一人で抱え込まず、カウンセラー(セラピスト)に今のお気持ちをご相談ください。
オハイオ州コロンバス体重減少
「神経性大食症の症状」
Aむちゃ食いエピソードの繰り返し。
(1)他とはっきり区別される時間(通常2時間以内)に、明らかに大量の食物を摂取すること。
(2)そのエピソードの期間は、食べることを制御できない感覚がある。
B体重増加を防ぐために、不適切な代償行動を繰り返す。
(自己誘発性嘔吐、下剤・利尿剤・浣腸の誤った使用、絶食、過剰な運動など。)
Cむちゃ食いおよび不適切な代償行動は、3ヶ月間に渡って週2回は起こっている。
D自己評価は、体重や体型の影響を過剰に受けている。
E障害は、神経性無食欲症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。
神経性大食症にも2つのタイプがあり、排出型と非排出型に分けられます。排出型は定期的に自己誘発性嘔吐や下剤・利尿剤・浣腸の誤った使用をし、非排出型は絶食や過剰な運動を行ったことはありますが自己誘発性嘔吐や下剤・利尿剤・浣腸の定期的な使用はありません。
「神経性大食症の原因と治療」
神経性大食症は産業が発達し、若さと痩せていることをよしとするほとんどの国でよく見られる障害です。また神経性無食欲症の人のうち30-50%の人たちが、発症2年以内に神経性大食症になると言われています。完全主義的で目標達成を第一とする人が多く(いわゆるgood studentが多い)、外向的で、怒りやすく、衝動的であり、低い自己評価が特徴と言えます。またアルコールなどの乱用や食物の万引き、抑鬱(うつ)や不安症状の出現、境界性パーソナリティの問題が絡むこともあります。また家族に依存症やうつ病の人がいるケースも多く、家庭内での衝突、拒絶、養育放棄が神経性無食欲症よりも多いと報告されています。
神経性大食症の治療には、身体合併症のひどい場合は入院が必要ですが、精神療法では集団療法、認知行動療法、家族療法などが有効であると言われています。神保町カウンセリングルームでは摂食障害の方に有効な心理療法を提供しております。お一人で抱え込まず、カウンセラー(セラピスト)に今のお気持ちをご相談ください。
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