近年、腹膜透析は血液透析と比較して患者満足度が高く、残腎機能保持(長期間、尿量を維持することができる)といった特徴もあって、腹膜透析から透析療法を開始するPD firstといった概念が提唱されております。
脾彎曲部の痛み
しかし、現在の腹膜透析の問題点として、長期間、腹膜透析を継続している患者では、腹膜機能の低下や被嚢性腹膜硬化症の発生といった医学的問題、腎臓専門医や看護師を含めた腹膜透析に関する教育が十分でないという問題、患者への腹膜透析に関する情報提供が不十分という点、地域の医療機関間の連携が十分でないという医療システムの問題、等が挙げられます。
これのことを理解したうえで、血液透析、腹膜透析、腎移植のそれぞれの利点を生かした総合的な腎不全管理を行うことが、望まれていると思います。
重篤な皮膚ケアスキンケアにきび
我々は、(1)腹膜機能を長期保持して腹膜機能不全・硬化を予防する腹膜透析法の開発、(2)腎臓専門医療スタッフと患者に対する腹膜透析医療の啓蒙と教育、(3)総合的腎不全医療システムの構築、を目的として、2005年2月より5年間、腎不全治療システム学寄附講座として、腹膜透析・腎移植を含めた腎不全医療を、名古屋大学および関連病院において推進し、腹膜透析合併症の基礎研究においても実績を示してきました。
2010年2月より、名古屋大学の規定により、腎不全総合治療学寄附講座とし、当地区における腹膜透析・腎移植を含めた腎不全医療の活性化をはかり、かつ腹膜透析合併症の基礎研究の推進を目標とします。また、名古屋地区で確立しつつある教育を全国の医療関係者を対象とした、腹膜透析の教育プログラム(腹膜透析Baxter Scientia Japan at Nagoya University)を開催していきます。
内側足首の痛み
■腹膜透析に関わる医療について
我々は、医師、看護師、臨床工学士が、協力して腹膜患者さんの診療・教育・指導に努めています。また、保存期腎不全の方に、適切な腎代替え療法を選んでいただくため、血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの治療法について、情報提供を行っています。
■腹膜透析に関する研究について
我々は「腹膜透析を如何に安全に行っていくか」を目指し、腹膜の機能的低下や解剖学的変化の解明、ここに関わる様々な要因の解明と、これに対する治療的アプローチの開発を試みています。
0 件のコメント:
コメントを投稿